〇6 度

  ヴェルディのレクイエムの5曲目 Agnus Dei、冒頭ソプラノとアルトのソリストがオケ前奏なしのガチンコで二重唱をオクターブで出る。

  僕らが歌ったとき、この音が、なんとオクターブでなく6度で響いた。

  もう少しみんなが音に敏感だったらどうなっていたかわからないが指揮者もあえて棒を止めることなくコーラスも粛々と歌い続け、いつの間にかちゃんとした響きに収束していったが、正直おどろいた。

  終演後舞台から捌けた袖でオケのひとに「こんなことってあるんですねえ」と言ったら「コーラスがパニックにならないか心配しましたよ」と言われた。

  実はこのソリスト、前回触れたドイツからのピンチヒッターの方で、旅の疲れとか練習期間の短さとか可哀想なところもあったのだが・・・。

2021.07.13