〇 リピーター
長らく合唱をやっていると、同じ曲を二度、三度と歌うことも少なくない。
「第九」は別格としても、「水のいのち」「メサイア」「ヴェルディのレクイエム」「カルミナ・ブラーナ」などなど。
こういった大曲の場合、最初の取組みではオタマジャクシを追いかけるだけで手一杯で、その曲の深いところに触れるには一回の舞台では足りないこともある。
中でも記憶に残っているのはブラームスの「ドイツレクイエム」で、一回目と二回目とでこの曲から受け取るものが全く違った。 というより、二回目のとき、「一回目のときは何を歌っていたのだろう、ただ譜面に書いてあるとおりに歌っただけじゃなかったか」という感じを強く受けた。
「ああ、これ、前に歌ったことがある」ということで安易な姿勢で曲を手にすることは折角のより深い出会いや感動の機会を無駄にすることになりかねない。
2021.08.24